お肉Q&A

ミートドクターお肉Q&A

tokucho
質問
地名や銘柄の付いた牛肉が売られていますが、牛肉にはたくさんの品種があるの?

お答え
国内で売られている牛肉の種類は4つに分けられます。

1)和牛
2)乳用種
3)乳牛に和牛を交配したもの
4)外国種(肉専用種)

質問
有名銘柄和牛は、なんで評判がいいの?

お答え
基準や定義が確立され、肉質改良を重ねた長い歴史によるものです。

質問
その他の銘柄牛の肉質は?

お答え
有名銘柄と同じ肉質の良いもの(5等級、4等級 )が多くあります。

質問
和牛と国産牛は同じ?

お答え
いいえ、「国産牛」=「和牛」ではありません。
「国産牛」は原産地を表し、「和牛」は品種を表すものです。
「国産牛」とは日本国内で飼育された牛のことを言います。
また外国で生まれ育った牛でも日本国内での飼育期間が長ければ「国産 牛」として販売されます。
「和牛」とは黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種の4品種のことをいいます。

質問
豚の種類は?

お答え
世界には数百種の豚がいると言われていますが、国内で飼育されているのは純粋種で6種類です。
① ランドレース  ②バークシャー ③ハンプシャー ④大ヨークシャー
⑤中ヨーク―シャー ⑥デュロック
黒豚」は普通の豚と違うの?値段が高いのはなぜ?
「黒豚」と呼ばれるのはバークシャー純粋種だけです。
値段が高いのは肥育期間(240日前後)が長いからです。
牛肉のランク(「A5とかB3」)にはどんな意味があるの?
牛枝肉の格付け(ランク)は「歩留等級」と「肉質等級」で決まります。
アルフャベットは歩留(ぶどま)り等級を表し、数字が肉質等級を表します。
格付けランクの種類は歩留等級「A」~「C」と肉質等級「1」~「5」の組み合わせで決まり「A5」が15段階中の最上級ランクというとことになります。

質問
牛、豚、鶏、一頭一羽からどれくらいの肉や内臓がとれるの?

お答え
個体差により多少の違いはありますが・・・。
内臓
*牛の場合
生体重量を100%として33%程度の肉(精肉)と6.3%の可食内臓が、それぞれとれます。
*豚の場合
一頭から43程度%の肉、8%の可食内臓。
*鶏の場合
一羽から骨付き肉は70.2%程度で、そこから正肉・手羽先・手羽もと・ささみなどの食べられる部分の割合は53%程度です。
(生体重量を牛700kg、豚100kg、鶏3kgとして、それぞれの肉、可食内臓を計算してみてください。)

質問
お肉は新しいほどおいしいの?

お答え
お肉は新しければ、おいしいという訳ではありません。
食肉はある程度時間が経過するとタンパク質分解酵素などにより食味が増加してきます。これを肉の熟成」と言います。

質問
部位によって値段が違うのはなぜ?

お答え
需要が多く、供給が少ない、品質の高い部位が高価です。
例えば、ヒレなどは筋肉としてあまり使われていないので、やわらかいです。
一方、ももは筋肉としてよく使われるので筋繊維が太くなり、硬くなる傾向があります。
すねなどの筋(すじ)の多い筋肉もかたいですが酵素が多いので調理方法を工夫すれば美味しく食べられます。

質問
部分肉」とはどういうお肉?

お答え
枝肉から余計な脂肪を除いて大きな部位に分割した肉のかたまりのことをいいます。

質問
牛にはどんな部位があるの?

お答え
11の部位があります。
牛の部位
1.ネック
首の部分で「かたロース」に続いていて、よく運動する部分で、きめは粗く、肉質はかため、豊富なエキス分、豊富なゼラチン質を持っています。
2.かたロース
ロース部位の「かた」にあたる部分で、後ろの「リブロース」「サーロイン」に続いている筋肉です。
きめが細かく柔らかい、肉質の優れた最高の部位属します。
3.かた(うで)
「うで」の部分を総称して「かた」と呼びます。
よく運動する筋肉部できめが粗く、肉質はややかためです。
4.リブロース
通常「ロース」と呼ばれる部位で、見事な霜降り状態になります。
きめが細かく、軟らかい優れた肉質をもっているので「ヒレ」「サーロイン」とならぶ価値をもつ最高部位とされています。
5.サーロイン
リブロースとらんぷに挟まれた部位で、きめが細かく柔らかい最高の肉質です。
6.ヒレ
他の部位と比較して最も運動しない筋肉なので一番柔らかい部位になります。
牛一頭から得られる肉量に対してヒレの占める割合は3%ほどしかありません。
語源はフランス語の「ヒィレ」で、関西では「へレ」と言われています。
7.かた・もとばら
「かたばら」とそれに続く「もとばら」の境い目あたりは繊維質、筋膜が多く、肉のきめは粗いが、赤身と脂肪が層になって霜降りになりやすい部位で、大変濃厚な風味を持ってます。
8.うちもも・しんたま
「うちもも」は牛肉の部位の中も脂肪が最も少なく、ほとんどが赤身なので赤身を好む人には最適な部位です。
「しんたま」も脂肪が少ない赤身中心の部位ですが肉のきめは細かく柔らかいです。
9.そともも
もも系の部位では最も運動量が多い筋肉なので、きめは粗く肉質はややかたい部位です。
10.らんぷ
「サーロイン」に接続している部位でロイン系の最高部位に次ぐ準高級な部位として評価されています。 「らんいち」「らむ」ともいいます。
11.すね(まえずね・ともずね)
前足のものを「まえずね」後ろ足のものを「ともずね」と呼びます。
肉質はかたく、腱のおおい部位です。 「ネック」「かた」と同様にエキス分、ゼラチン質を豊富に持っています。

質問
豚肉にはどんな部位があるの?

お答え
8つの部位があります。
牛の部位
1.ネック
赤身が少なく脂肪分が多い部位で、肉質はややかためです。
「トントロ」と呼ばれているのはこの部位です。
2.かたロース
ロース部位の「かた」に当る部分で、ロース特有のきめの細かさを持っています。また、若干の脂肪が網目のように交雑しているので特有のコクがあります。
ただし、ネックに近い部分は、ややきめがあらく、肉質もかためです。
3.かた(うで)
肉厚で赤身が多い部位で、運動量の多い筋肉が集まっているため、きめがやや粗く、肉質はかためです。
4.ロース
肉質などからロース、サーロインと分れていた牛ロースとは違い、豚肉では特質差が見られないので長い一本ままロースと呼ばれ、肉のきめは細かく肉質もやわらかく、とんかつの代表的な部位となります。
5.ヒレ
脂肪分が少なく、ほとんどが赤身ですが、きめが細かく肉質も最もやわらかい部位で、ビタミンB1が豊富です。
豚1頭から得られる肉量に対して「ヒレ」の占める割合は2%ほどしかないのでもっとも高価な部位となっています。
6.ばら
脂肪と筋肉が層をなしているので別名「三枚肉」とも呼ばれています。
肉質は軟らかく、コクと風味に富んでいて、骨付きのばら肉は「スペアリブ」と呼ばれ普及しています。
7.もも
脂肪が少なくきめが細かい部位でヒレに次いでビタミンB1が豊富な部位です。
8.そともも
牛肉でいう「らんぷ」と「そともも」の部位にあたります。
「らんぷ」の部分はきめが細かく軟らかい赤身で、「そともも」の部分は運動量が多いのできめが粗くなっています。

質問
鶏肉にはどんな部位があるの?

お答え
4つの部位があります。
牛の部位
1.むね
肉質はやわらかく、味も淡泊であっさりしています。
脂肪が少ないので調理法によっては加熱し過ぎるとパサパサした食感になりますが、たんぱく質が豊富で、低カロリー、低コストの部位です。
2.ささみ
最も脂肪が少ない部分で肉質がやわらかく、味も淡白であっさりしています。
タンパク質が豊富なので小さなお子様やご年配の方にお勧めの部位です。
3.手羽(手羽先・手羽中・手羽元)
鶏の翼の部分で「手羽先」「手羽中」「手羽元」の3つの部位に分かれます。
「手羽先は」は肉はほとんどありませんが美肌に良いといわれるコラーゲンが豊富。名古屋の名物料理“手羽先から揚”で有名な部位です。
「手羽元」はほどよく脂肪が付いていて、味にコクがある部位で、別名「ウイングスティック」とも呼ばれます。
4.もも
むね肉と比べると肉質はややかためですが、肉の中に適度に脂肪が入り、よく締まっているので味にコクがある部位です。
部位ごとのおススメ料理

質問
「トレーサビリティ」って何?

お答え
生産、加工、流通、販売などの「経路」と「経歴」の情報を保管し品質管理を行う仕組みです。
*牛のトレーサビリティ
2001(平成13年)に発生したBSE(海綿状脳症)を起点に法律で一頭ごとに「個体識別番号」を付け、小売店頭で表示することが義務付けられています。
*豚についても、法律では義務付けられていませんが、仕入れた商品ラベルの情報により生産農場まで遡ることが出来ます。
*鶏については、(社)日本食鳥協会で「食品の信頼獲得」のため各会員企業の会社概要、加工工場、生産農場を閲覧できる「鶏肉トレーサビリティ」が構築されました。

質問
「トレーサビリティ」の利点は何?

お答え
1)食品の安全性に関し予期せぬ問題が生じた際に、その原因究明や問題食品の回収などを迅速、容易に行うことが可能である。
2)食品の安全性や品質などに関する消費者などへの情報提供と共に表示内容の確認が容易になる事によって販売の信頼を確保できる。
3)生産者や食品事業者の行う製品管理や品質管理などの向上や効率化に役立つ。 等があります。

質問
牛肉がダイエットに効果的というのは本当・・・?

お答え
牛肉に多く含まれるカルニチンは脂肪の分解を促し、そのエネルギー変換を促進します。
カルニチンはお肉から摂取できるだけでなく、必須アミノ酸のリジンとメチオニンを前駆物質として肝臓と腎臓で合成されます。
また、細胞にあるミトコンドリアで作られるエネルギーの素であるATP (アデノシン三リン酸)の合成を助け、疲労物質の蓄積を少なくする効果があります。 また、食事で摂った脂肪や体内に蓄積されている余分な脂肪の分解を促し、腹部の脂肪分を燃焼させるなどのダイエット効果も期待できます。

質問
豚肉にはビタミンB1が多いというのは本当・・・?

お答え
豚肉には他の食品に比べ群を抜いてビタミンB1が多く含まれています。
ビタミンB1は糖質の代謝に関係するので、 甘いものが好きな人、お酒をよく飲む人は普通より多く摂る必要があります。
また、筋肉を動かすにはグリコーゲンというブドウ糖から作られるエネルギーを使います。
グリコーゲンは筋肉と肝臓に蓄えられていて必要な時に燃焼して筋肉を動かしています。このグリコーゲンの燃焼にビタミンB1が触媒の役目を果たすのです。
B1が不足するとグリコーゲンはうまく燃焼できず、疲労物質の乳酸が大量につくられ筋肉の疲労をおこします。
さらに、脳などの神経細胞はブドウ糖だけをエネルギー源にしているので、ここでもビタミンB1が多く必要になります。
つまり、エネルギー源であるブドウ糖を補給する場合は、同時にビタミンB1の補給も必要だということです。 1日に必要なビタミンB1を摂るには豚肉なら120g食べればオーケーです。
もう一つオマケ・・・
ビタミンB1は水溶性なので、余分なものは排泄され過剰症がおこる心配もありません。 疲労を感じた時はおかずに緑黄色野菜を添えた豚肉料理はいかがですか?